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今月の法話

令和3年7月 No.399
今日もまた 幸福めて 四苦八苦

 このカレンダーの言葉を見たときは実に面白く感じ、思わず「ホント、ホント」と声がでました。お釈迦さまは、私どもの身のありよう、いのちの事実を「四苦八苦」とお示しくださいました。
」とは、「思い通りにならない」という意味です。私どもはいつも幸福を求めては、その心で《よりよき未来の物語》をこしらえ描いているようです。病まないように、老いてしまわないように等々、さまざまに手に入れたものを手放さないように励みます。そればかりではありません。愛おしいものと別れないように、会いたくないものと出会わないようにと出来る限りの工夫もいたします。

 ただ、その求める《よりよき未来の物語》は、時として私どもの心を転じさせます。用心を重ねればこそ、病となれば深く悩み、愛おしさが深いほど、その別れは私をどん底へと突き落とします。やはり私どもは時に涙し、時に眠れぬ夜を過ごしていかねばならないようです。

 まさに「今日もまた 幸福求めて 四苦八苦」。

 しかし、そんな私だからこそ、阿弥陀さまの大きなお慈悲が「われにまかせよ」と、今ここに満ちておられるのであります。人知れぬ涙を流し、もがき嘆く私に、愛や憎しみ苦悩を超えた大きなお慈悲が『南無阿弥陀仏』「一人にせぬぞ」と入り満ちておいでなのです。

 いま、私どもの口からこぼれる『南無阿弥陀仏』は、「われにまかせよ」「一人にせぬぞ」、そんな阿弥陀さまのお慈悲いっぱいの言葉。よかったですね、この四苦八苦の私どもには、いつも『ナンマンダブツ』、阿弥陀さまがご一緒でありました。

福岡県朝倉市 淨覚寺 渡邉 崇之

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