かくれ念仏 / かくれ念仏めぐり
かくれ念仏めぐり
浄土真宗禁制時代をしのぶ、かくれ念仏の遺跡などをご紹介します。
鹿児島県
▼ 涙石(鹿児島市 西本願寺鹿児島別院)
西本願寺鹿児島別院の境内にある、弾圧の歴史を象徴する石。
薩摩国諸記(本願寺蔵)によると、拷問は割木の上に正座をさせ、膝の上に20~30kgの石を乗せて、左右に揺さぶったという旨の記録が残っている。
どのような経緯でこの石が別院に安置されたかは不明だが、弾圧の歴史を物語るような姿に、本願寺派勧学(西本願寺の学階の最高位)の梅原真隆師は「なみだ石 涙にぬれて もだしけり まことのいのち ためさるるとき」と詠んだ。
▼ 盗人穴(南九州市知覧町)
盗人穴という名前の由来は、子どもたちが出入りするとこの場所が発覚してしまうことを恐れ、「あそこには盗人がいるから近づくな」と教えて近づけなかったことに由来する。
▼ 花尾念仏洞(鹿児島市花尾町)
鹿児島市花尾町にあるかくれ念仏洞。
道路から200メートルほど階段を登っていくと、高さ約1.5メートルの天然の洞穴がある。
洞穴内で立つことはできず、しゃがんで入っても2~3人ほどしか入ることはできない。
現在は参道が整備され駐車場もあるので、比較的参拝しやすいかくれ念仏洞穴跡になっている。
▼ 雀ヶ宮念仏洞(鹿児島市吉野町)
鹿児島市吉野町にあるかくれ念仏洞。
道路から少し山を登ると2つの穴が見えてくる。穴の中は迷路のように掘られており、人が立って歩けるほどの広さがある。奥には礼拝したと思われる場所も残っている。
▼ 都迫かくれ念仏洞(鹿児島市本名町)
鹿児島市本名町にあるかくれ念仏洞。
県道沿いに案内看板があり、階段を上がると念仏洞がある。入り口はせまく、しゃがまないと入れない。曲がりくねって掘られた内部を進むと、礼拝する場所がある。
▼ 立山念仏洞(南九州市知覧町)
南九州市知覧町にあるかくれ念仏洞。
立山公民館からすぐそばの場所にあり、比較的参拝しやすいかくれ念仏洞穴跡。
▼ 朝倉念仏洞(鹿屋市輝北町)
鹿屋市輝北町のかくれ念仏の歴史を伝える念仏洞。
大人が腰をかがんでやっと入れる入り口を入ると、内部は大きく曲がったクランク型に掘られており、内部の灯りや念仏、読経の声が外に漏れないような作りになっている。
奥は8畳敷きほどの広さがあり、御本尊、灯明や供物をのせる台などが現在も残っている。
人里離れた山奥にある念仏洞であり、お念仏を守り続けた当時の苦労を忍ばせる。
県道沿いに案内看板があり、階段を上がると念仏洞がある。入り口はせまく、しゃがまないと入れない。曲がりくねって掘られた内部を進むと、礼拝する場所がある。
▼ 時吉萬次郎の碑(薩摩郡さつま町宮之城)
時吉萬次郎は、念仏弾圧が過酷さを増す天保11(1840)年に、北薩の被差別部落で生を受けた念仏者である。伯楽(獣医)を生業とし、北薩~えびの~都城と広範囲にわたって仕事をしながら、夜には各地の講で番役として御同朋の仏法を説き回っていた。
萬次郎を捕縛しようとする役人の厳しい取締りと拷問により家族を失うが、73歳の生涯を閉じるまで人間解放と念仏弘通の生涯を貫き通した。
その萬次郎を讃え、宮之城町東谷集団墓地には顕彰碑が建てられている。
▼ ミュージアム知覧(南九州市知覧町)
知覧におけるかくれ念仏の関係資料(仏様を隠す秘仏の柱や蓮如上人伝絵など)が展示されている。
所在地:鹿児島県南九州市知覧町郡17880
電話:0993-83-4433
Webサイト:鹿児島県南九州市 公式サイト
宮崎県
▼ 安楽寺(都城市山之口町)
念仏禁制の時代、信者の拷問に使われていた拷問石が残っており、法難の歴史を今に伝えている。
所在地:宮崎県都城市山之口町富吉3527
電話:0986-57-3838
E-Mail:anrakuji@f6.dion.ne.jp
熊本県
▼ 源光寺(水俣市浜町)
かつて、薩摩の門徒が密かにお参りをしていた寺。薩摩部屋があり、多数の法難資料がある。
所在地:熊本県水俣市浜町1-6-5
電話:0966-62-3420