法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.383)

今月の法話  バックナンバー(No.383)

令和2年3月 No.383
しくば 南無阿弥陀仏を称うべし

 阿弥陀さまは南無阿弥陀仏とこの私に至り届き、働き続けてくださっております。

毎年2月ごろになると、北海道の北東部に流氷が漂着します。シベリア大陸の沿岸部でできた氷は、長い距離を南下して北海道にたどり着くようです。その年によって風の向きや強さは異なります。しかしその氷は、何ものかの力で引きずられるように、ある一定の方向に進み続け、必ず同じ場所にたどり着くというのです。何とも不思議なことだなと思っていました。しかしよくよく調べてみれば流氷の行方は、その年に吹く風によって決まるのではなく、海の中の潮の流れによって決まるのだというのです。私たちが日常使う言葉に「氷山の一角」という言葉があります。流氷も、海面から一メートルの高さがあれば、海面下に六メートル程の深さがあるそうです。つまり、見えない部分がほとんどなのです。その見えない部分に潮は働きかけて、氷を南へ南へと運んでいくのです。

 その流氷こそ、私たちそのものではないでしょうか。私たちもその氷のように、誰にも知られようのない、悲しみや苦しみをたくさん抱えて生きています。阿弥陀さまは、そのような私たちを目当てとし、苦しみ悲しみの全てを包み込んで、「あなたをお浄土へと連れて行く」と今働いてくださっているのです。この人生には順風もあれば、逆風といった辛い出来事に出くわすこともあります。しかしどのような人生であったとしても、「必ず救う」という本願力によって、今、お浄土への人生を歩ませていただいているのだと味わうことでございます。

大阪府摂津市 誓覚寺 宮部 誓雅

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