法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.376)

今月の法話  バックナンバー(No.376)

令和元年8月 No.376
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 あるラジオ番組で「おじいちゃんの13回忌」についての手紙が紹介され、感慨深く聴きました。彼女のおじいちゃんは「盆か正月に死ぬ」が口癖だったそうです。理由は「親戚が集まりやすい。命日にはたくさん集まって欲しいから」ということでした。そして亡くなったのが1月3日であり、なんと口癖どおりになったのです。

 それから年月が経ち、彼女の兄弟もそれぞれ家庭を持ち、盆や正月であっても帰れないことも増えたそうです。そんな中、おばあちゃんから「おじいちゃんの13回忌だから帰ってきて。私も91歳。これがたぶん最後だと思うから」と連絡を受けたのです。親の兄弟とその家族がほぼ全員集まるにぎやかな法事となり、おばあちゃんも満足した様子でした。そのとき、ひ孫にあたる13歳の息子が、ひいおじいちゃんが「盆か正月に死ぬ」と言っていたことを知らされ、ことのほかの感動したのです。そして「目標ができたので、発表します。僕も将来、ひいおじいちゃんみたいに盆か正月に死にます。これをうちの家訓にしたらいいと思います。」と宣言したのです。家族一同が拍手、喝采。おばあちゃんは、涙を流して笑ったそうです。

 仏教は死を終わりや別れとは考えません。死を縁にで遇うものがあります。 浄土真宗では、の縁に遇う者は、この世の命終わるとき、浄土に生まれ仏となり、速やかにこの世界にかえり残された者を導くといただきます。お盆を迎えるにあたって、南無阿弥陀仏を通して大切な方のお心に出遇わせていただきましょう。

愛媛県今治市 万福寺 浅野 執持

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