法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.398)

今月の法話  バックナンバー(No.398)

令和3年6月 No.398
ごとにわる あじさいの

 あじさいには「七変化」という別名があるようです。それは花の色が日ごとに変わっていく様に由来するのでしょう。そのメカニズムは育った土の環境と花の色素が関わっているそうで、つまるところ育った土壌によって変化するそうです。同じ花が、薄紅色になったり水色になったりと色を変えていく様子は何とも神秘的ですが、一方、その花言葉に「心変わり」があるのも頷けます。

 仏さまの教えを聴聞いたしますと、どうやら私の心もあじさいに負けてはいないようです。離れることのできない煩悩のもとに、欲の心をおこして、今ある幸せに満足しなかったり、怒りの心で他人どころか自らをも傷つけてしまったり、無関心なものには冷淡をもって接したりと、様々に心変わりさせながら苦悩の日々を過ごしていることを知らされるからです。

 相田みつをさんの『はずかしい』という詩には、
「あじさいの花をみているわたし あじさいの花にみられているわたし 
花にみられてはずかしい にんげんのわたし」とあります。

 私たちは阿弥陀さまの教えを聴聞させていただくところにこそ、初めて我が身の愚かな心に気づかされます。だからこそ、そのような私を「決して見捨てない」とご一緒にくださる大きなお慈悲に「ありがとうございます」とお念仏申します。また私の本当の姿を知らせてくださる真実の智慧に「お恥ずかしいことでした」とお念仏を申します。

 ちなみにあじさいには、花の集まりが人と人との結びつきを表しているように見えるため「仲良し」という花言葉もあるそうです。私たちも仏法の土壌に育てていただいているからには、仏さまのような穏やかな心を忘れないようにしたいものですね。

広島県広島市 圓正寺 久留島 法暁

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