法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.377)

今月の法話  バックナンバー(No.377)

令和元年9月 No.377
人間だからこそ

 数年前、俳優の松方弘樹さんが亡くなられた際に友人である梅宮辰夫さんがカメラの前でこんなことをおしゃっていました。「人間死んだらお終いですよ。生きているうちが花ですよ。」果たして、私たちのこの命、死んでしまえばそれでお終いなのでしょうか。遠くて暗い、どこか分からない所へ行くのでしょうか。

牡丹唐獅子、竹に虎」という絵図をご覧になられたことはあるでしょうか。中国、アジアに生息する虎は獰猛で密林の王者といわれています。

ところが、そんな虎にも天敵がいるのです。それは象です。正確にいえば、インドで虎と生息域が同じインド象です。そんな虎は象が現れると、竹やぶに逃げ込みます。なぜならば、象には牙があり竹やぶに入ると、その牙が竹に挟まって折れる可能性があるからです。そのため、象は竹やぶまで深追いすることはないのです。

そして、獅子です。この獅子もまた、向かうところ敵なしですが、唯一恐れるものが、寄生虫です。そんな寄生虫も牡丹の花から滴り落ちる夜露に当たれば死んでしまうのです。そのゆえ、獅子は夜になると、牡丹の花の下で休むのです。すなわち、虎にとっては竹が安住の地であり、獅子にとっては牡丹の花の下が安住の地なのです。

ならば、私たちの安住の地、拠り所とする場所はどこでしょうか。それは、阿弥陀如来さまの建立されたお浄土です。絶対的な阿弥陀如来さまが絶対的な場所、お浄土へ生まれさせんと願っておられるのです。死んでお終いではない、浄土へ生まれ往く「命」を今、生かさせていただいていることを慶ばせていただくのです。

高知県南国市 西福寺 藤山 大樹

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