法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.366)

今月の法話  バックナンバー(No.366)

平成30年10月 No.366
本願 老少善悪ばれず

 阿弥陀さまのご本願は老人も若者も、善人も悪人も、分けへだてがありません。阿弥陀さまは生きとし生けるもの全てを救いたいと願いをおこされました。それも、こうしたら救う、ああしなさいと条件をつける仏さまではなく、私が手を合わすことを忘れていても、逃げていても、追いかけてでも救いますという仏さまです。

 ある小学校5年生の女の子がいらっしゃるご家庭のお話です。その女の子が朝食のとき、お母さんに「これ読んで」と言って手紙を台の上に置きました。そのときお母さんは洗濯などでバタバタしていたため、女の子が「行ってきます」と言って学校へ向かったあと、その手紙を読みました。「請求書 おこづかい100円、手伝い賃100円、後片付け賃100円、合計請求金額300円」と書いてありました。お母さんは黙ってそれを読みました。夕方になり、夕飯のとき、今度はお母さんから「これ読んで」と言って手紙を渡しました。その手紙には同じように「請求書」と書いてあったのです。「教育費0円、食費0円、洋服代0円、合計請求金額0円」と書いてあったのです。この0という数字に親の思いがあるではないでしょうか。本来なら子どもが払いきれない金額でありましょうが、親の思いは0なんです。見返りを求めません。

 阿弥陀さまも見返りを求めることなく全ての者に「1人じゃないよ、安心しなさい、必ず救うよ」と喚びつづけ、願いつづけ、はたらきづくめの親さまであります。

薩摩川内市 慶光寺 黒屋 善文

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