雅楽器の紹介

雅楽には独特の楽器が使われます。

管楽器

鳳笙 ほうしょう

笙  鳳笙は17本の竹を束ねたような魅力的な形で、その姿は伝説の鳥・ 鳳凰 ( ほうおう ) が翼を立てて休んでいる姿を表現していると言われています。
吹き口より息を入れたり吸ったりすることでリードが振動して音となります。合奏では主に和音を奏で、手移りという運指法と気替えという息づかいによって、主旋律を奏する篳篥に正確な音程を知らせ、全体の曲の流れをリードする役割があります。
優雅で透き通ったその音色は「天から差し込む光」を表しています。

篳篥 ひちりき

篳篥
篳篥は表に7つ、裏に2つの指孔のある竹管に ( よし ) を削ってつくったリードを差し込んで吹く縦笛です。合奏では主旋律を担当し、メリハリや塩梅と呼ばれる奏法により、口腔内の容積を変えたり、息づかいの強弱によって音を変化させることができるので、歌うように自由に演奏できるのが特徴です。
楽器の大きさとは反対に音量はとても豊かで、力強いその音色は「地上にこだまする人の声」を表しています。

龍笛 りゅうてき

龍笛
龍笛は 横笛 ( おうてき ) とも呼ばれる竹製の笛で、息を吹き入れる歌口のほかに7つの指孔があります。息の使い方によって同じ指孔で1オクターブという広い音域を出すことができ、装飾的な旋律を奏でるのが特徴です。
龍の笛という名の通り、その音色は「天と地の間、空を翔ける龍の鳴き声」を表しています。

打楽器

鞨鼓 かっこ

鞨鼓

 鞨鼓とは鼓の一種で、木製の台の上に奏者の正面に横向きに置き、二本の桴を使って左右両面を打ちます。演奏の開始や終わりの合図、そして曲の流れや緩急をリードして演奏のテンポを決めたりと、いわば指揮者の役割を担います。
雅な情緒を醸し出し、演奏の鍵を握る中心的存在の
楽器です。

楽太鼓 がくだいこ

楽太鼓

 楽太鼓とは雅楽で使用される平太鼓を円形の枠に吊るした太鼓で、先端に革を巻いた二本の桴で力強く革面を打ちます。合奏では、中央に鎮座して大きなリズムパターンを刻み、演奏に重厚さをそえる大型の打楽器です。

鉦鼓 しょうこ

鉦鼓

 金属製の皿型を架台に吊るし、玉や牙、水牛の角などの固い素材でつくられた二本の桴で凹面を打って鳴らす楽器です。合奏では小さなリズムパターンを刻み、全体を引き締める高く澄んだ音色は音楽に奥行きをあたえます。

ページトップへ